第2章 *清凛高校
190㎝以上はあるだろう高身長の男の姿。
「…大きいですね…」
「…うん、大きい…」
後ろ姿を少し見ただけだったけど、かなり良い体格をしていた。
あんな人にバスケをやらせたい……っ!
「蒼井さん、僕は用事があるので、また」
「あ、うんっ!同じクラスだといいねっ」
あたしは、クラス表を見て自分のクラスに来た。
「あ!黒子くん!同じクラス!?」
「蒼井さん!同じで安心しました」
「あたしも!席も近くてよかった♪」
…そういえば、隣の人、まだ来てない。
確か名前はカガミタイガくん。
どんな人なんだろ…。
すると教室の入り口に見覚えのある姿。
「…ん?」
あの人…。
「…あっ…!」
さっき見た、長身男!
その男はドカドカと歩いてきて、あたしの隣の席に座った。
…え?
もしかしてこの人が、"カガミタイガ"?
あたしは思わず凝視してしまった。
うわ…近くで見ると、すごい良い体格…。
それよりっ…意外とカッコいい…かも…っ。
「おいお前、何ジロジロ見てんだよ」
「へっ!?あ、ごめんなさいっ…!」
うわ、恥ずかしい…っ。
でもやっぱり、見てしまう。
あたしは、さっきからこの人を見てしまう。
「あーもう!なんなんだよ!」
「いや違いますっ、見てないですっ…!」
「…蒼井」
「…え?」
「覚えちまったわ」
「え…」
これがきっかけで、火神くんと話せるようになった。
火神くんは帰国子女らしい。
アメリカの中学校に行ってて、バスケをやっていたらしい。
「蒼井、部活とか入んの?」
「あたしは、バスケ部のマネージャーやるんだ!」
「へーなんでバスケ部?」
「あたし、中学のときバスケ部のマネージャーやってたんだぁ」
「ほー何中?」
「帝光中だよ」
「帝光中!?」
―ガタッ。
火神くんが立ち上がった。
「帝光中って…あのキセキの世代がいた…!?」
「うん。黒子くんもだよ」
「あ?黒子?誰だそいつ」
「黒子は僕です」
「のわぁぁぁぁ!」
やっぱり、黒子くんは影薄いな…。
「初めまして。黒子テツヤです」
「え、黒子テツヤ…って幻の六人目の…!?」
それからふたりは、ずっと話していた。
火神くんは、黒子くんに帝光中のこととか、他のキセキの世代のこととか、質問攻めだったけど。
…黒子くん、また新しい相棒ができそう。