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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第11章 ある報告書より


フェリシアーノが公子の手をとって走り出し、それをルートヴィッヒとアルフレッドが追いかけ。

結果、その場に残された菊とアーサー。

殺気を立ちのぼらせ本気モードの菊であったが、不慮の体調不良により地面にのびてしまっている。

現在は腰に手を当てヒィヒィしている、という有り様だ。



「私など気にせず、公子さん――いえ、アルフレッドさんを追いかけた方がいいのでは……」
 、、、、、、
「全員のためにそうしたいのはやまやまだが、こんな状態のお前をほっぽっておけるかっつーの! 誰だよ急に『こっ、腰が……!』とか言って倒れた奴は!!」

怒気をにじませた声色でアーサーは言い放つ。

菊はいろいろと反論したそうだっだが、例のごとく口をつぐんだ。

その顔は心なしか、いつもより蒼かった。

「実にすみません……」

「ったく介抱する俺の身にもなれよな」

アーサーは地面にへたっていた菊の手をとり、ゆっくり立ち上がらせる。

「……孫に手を貸されるじじいの気持ちです」

「刀なんか振り回したりするからだろ。本当に死ぬかと思ったっつーの」

「……」

菊は、アルフレッドの同行に『NO』を言えなかった自分を改めて呪った。

「とりあえず店の中に戻ろうぜ。その方がいいだろ?」

「えぇ、すぐにでも横になりたいです」

「本当に大丈夫か……」

ふらふらとする菊を見かねたのか、アーサーは肩をかす。

礼を言いつつ、おぼつかない足取りで菊は歩きだした。
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