第10章 地下へ
部屋を視界にとらえた瞬間、私は息をのんだ。
「なっなにこれぇぇええ!?」
待ち受けた景色。
それを一言でいうなら――研究室だった。
大画面をはさんだ8つの画面。ここは電気屋さんか。
得体の知れない巨大な機械に、いくつものカラフルなコードでつながったコンピューター。
放送室が笑えるレベルの操作パネル。
ボタンやバーの数が尋常ではない。
とにかく、洞窟の奥にこんな機械王国があるなんて、
「……」
誰が想像できよう?
一目で圧倒されるほどの光景が、そこにあった。
「公子……?」
ふと、後ろから声がかかる。
振り向くと、
「……耀さん!」
「公子ちゃんっ!」
「湾ちゃんまで!!」
「……なんか我のときより嬉しそうじゃねーあるか……」
「いやぁそんなことは」
「これが日本のエイギョースマイルなのネー」
目がしょぼしょぼしてる耀と、いらんことを言う湾ちゃんがいた。
懐かしい(?)顔ぶれに顔が綻ぶ。
と、ガバッと抱きついてこようとした耀さんを押しのけ、湾ちゃんに飛びつかれた。
よろろとふらつく耀。優しくしたげて……
「黙ってどこ行ったんだヨ! 一週間も!!」
「あ……」