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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第9章 無理のない脱走計画を


――カシャン

突如、洞窟に似つかわしくないシャッター音が響く。

見ると、さっきまで岩だった壁に、

「……なに……あれ?」

水色がかった透明の、パネルが現れていた。

大きさはインターホンくらいか。

明るさは、よく目をこらさないとわからないほど微かだ。

その光は常夜灯より弱い。

わけがわからず戸惑う私にギルは

「入れ」

と、言った。

「……ドコニデスカ」

「そのまま壁を通り抜けられる。その壁は映像だ」

これが!?

ホログラムとかだろうか。

それじゃあグラフィック(?)がすごすぎる。

恐る恐る行き止まりの岩肌に触れてみた。

まるで空気を触っているよう、つまりなんの感触もない。

なのに、

「ひゃあっ!?」

手首が、壁にめり込んでいた。

信じられないが、信じるほかない。

意を決し、私は踏み込んだ。
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