• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第2章 邂逅と眩暈と


「もうすぐ3時間たつんだぜ……」

「けど熱は37度まで下がったヨ」

「にしても菊、本当にこの娘誰あるか?」

「ですから、私にもわからないんです。急に風呂場に現れて……」

「ぶっちゃけこの時期だと怪しすぎ的な」



ぼんやりした意識の中、声が聞こえてきた。

どうしてか、その声たちに聞き覚えしかない。

ぱちっと目をひらく。

映り込んできたのは見紛うはずもなく――亜細亜組の皆さんだった。

まず、すぐ隣の湾ちゃんだ。

私のためか、替えの濡れタオルを絞っている。

つぎに、にーにーもとい耀は、私の隣にお粥を置いたところだ。

少し離れたところでトランプをしているのは、ヨンスと香くん。

最後に、私が風呂場で裸を目撃してしまった青年――菊。

襖から出て行ったのがちらりと見えた。

私といえば、真っ白な布団にくるまり仰向けになっている。

畳の匂いが心地よい。



…………じゃなくて!

えーと、

…………。

……。



はじかれたように私は起き上がった。
/ 378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp