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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第5章 うつつか夢か


菊はそうしめくくり、一度口をとじる。

それを見ながら、私は考えを巡らせていた。

他にもたくさんあるが、異変だと断じきれていない、先ほど菊はそう言った。

その“他”が具体的になんなのかはわからない。

しかし、同じくらい差し迫った危険を持つものも、あるかもしれない。

脳裏に単語が浮かび上がる。

さっきの書類から、ふと目に滑りこんできたワード――



“地震”

“集団失踪”

それから――“暴動”と“殺人”。



「……」

どうしようもなく、自分が無力な気がした。
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