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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第43章 In the Ghost town


とっさに横に転がり、すんでのところで避ける。

一瞬前まで私がいた場所に、“黒い人型”がドンッと倒れこんできた。

そいつはしばし身体の動きを止め、立ち上がろうとぎこちなく上半身を起こす。

その動きは、操り人形を連想させた。

「~~っ!?」

なんだこいつは!? ヘタリアにこんなキャラいなかったぞ!?!?

キャラというか、黒い靄を圧縮して、無理矢理人型に押し込めたように見える。

しかもホラーというか、ちょっとゾンビじみた動きをしている。

そのとき、目の前の中空にフォンと“ディスプレイ”が現れ、

「星マークのところへ逃げてくださいっ!」

大音響が耳をつんざいた。

目の前で星が飛び散ったような錯覚を覚えるが、反射的に足が走り出す。

彼らの世界に来てから、こんなふうに誰かの掛け声で逃げ出すのはお手のものだ。

エドァルドの言葉通り、目の前の空中に浮かぶディスプレイには、地図と星マーク、それから青い丸が映し出されていた。

中央にある青い丸は、多分私だろう。

このディスプレイ、私が走っても目の前に固定されているし、触ると通り抜ける。

こういうの、SF映画とかで見たことある。

エドァルドの声も、どこか天井にでもスピーカーがあるかのように聞こえてきた。

無論、上空にあるのは曇り空のみである。

「あの人は!?」

「わかりません! とにかく走って!」
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