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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第41章 暗鬼による確信による、


銃声?

どうしてそんなものが聞こえてきた?

どうして、菊は、血を――




腕の赤い染みを膨張させながら、菊はアルフレッドに歩いていく。

永遠に届かないように思えた距離は、現実にはたった数歩でしかなく、

「もう、大丈夫ですから」

菊はアルフレッドの手元に、そっと自らの手を添えた。

そしてそのまま、ゆっくりと銃口を下ろさせていく。

自分が何をしたのか、まだ理解できていないアルフレッド。

その瞳がぐらぐらと揺れだし、手から銃が落ちるのと同時に、瞳から透明な雫が頬をつたった。

憑き物が落ちたように、アルフレッドの瞳はいつもの水色に澄んでいた。

「――菊っ!」

アーサーの叫び声を合図にして、ぐらりと菊の体がかしぐ。

そのまま膝をついた菊は、駆け寄ってきたアーサーに「こんなのかすり傷ですよ」と特に表情を変えずに言った。

対するアルフレッドは放心状態なのか、一点を見つめたまま、自分が何をしてしまったのか信じられないと言った顔をしている。

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