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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第38章 ゼロ地点の結界より


「……す、す、す」

奇怪な鳴き声をあげるヨンスを、香は何事かと振り返る。

「すっげええええええええ!!!!」

部屋いっぱいいっぱいに、ヨンスの叫び声が響き渡った。

ついにおかしくなったのだろうか。

2週間分の作業がパーになったことを思えば、まぁ無理もない。

「what?」

「このPC! これ1台で性能がスパコン並みなんだぜ!」

通販番組の謳い文句とともに、ヨンスは目の前のPCを指さした。

なんの作業をしているのか、香にはさっぱりだ。

しかしヨンスの瞳が煌々と輝いているところ、凄まじく高性能らしい。

見た目は、ただのありふれたデスクトップPCだ。

たしか、スパコンもといスーパーコンピューターは、たくさんの計算機械の集合体、みたいなものではなかったか。

耀に自慢げに披露されたスパコン――大部屋いっぱいに並べられた何百もの筐体――「天河2号」を思い出す。

あんな仰々しいものと、目の前のなんの変哲もないPCが同じ性能だなんて、絶対にどうかしている。

「うおおおお! なんなんだコレ! すごすぎるんだぜ!」

……それを嬉々として使っているヨンスも、同じくらいどうかしている。
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