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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第4章 夢かうつつか?


目をあけた。

見慣れない天井が、視界に降ってくる。

「……」

夢を、見ていた。

けれど内容を全く覚えていない。

普段なら特に気にも止めないことなのに、今日ばかりは頭に引っかかった。

……えぇと、私は今どうなっているのでしょう?

清潔感のある布団。

落ちつく畳の匂い。

ピシリと張った障子。

どれも、見覚えがない。

混乱した頭のまま、布団から出て立ちあがる。

それから出口を探すように、障子を引いた。

「わっ……」

障子の向こうで、煌々とした満月が私を見据えていた。

思わず、声をもらしてしまう。

吸い込まれてしまいそうな光。

私は断言できる。

この月は、今まで見てきた中で間違いなく一番美しい月だと。

「……いや、おかしい」

たしか一週間前くらいにも、満月を見なかったっけ?

と、ハッと事態を思い出す。

自分が今どこにいるのか、どういう状況なのか、ということを。
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