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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第22章 依然重複領域外に


「一週間前から、ヨンスと香と連絡が取れないある」

ひとけのない駐車場に、耀の冷徹な声が響いた。

機械的な声色と凍りついた無表情は、イヴァンが見たことのないものだった。

向かい合う二人の他に、あたりには誰もいない。

駐車してある車も少なく、遮蔽物はないに等しい。

そんながらんとしたコンクリートの上で、イヴァンはいつもとかわらぬ笑みを浮かべていた。

「ふーん、そうなんだ」

「とぼけんなある。二人をどうしたあるか?」

怒気を押し殺した黒瞳で、耀はイヴァンを睨みあげる。

イヴァンは首をこくっと傾げた。

「なんのこと?」

「それはお前が一番わかってるんじゃないあるか」

「全然わからないなあ」

「お前……」

耀が歯軋りする。

イヴァンに見下ろされる形となっているが、今にも胸ぐらを掴まんばかりの勢いだ。

そんな耀に、イヴァンは表情を微塵も変えずに言う。

「なんで僕にそんなこと聞くの? それともわざわざ呼び出してまで“僕”に聞くような後ろめたい理由でもあるの?」

「……っ!」

全く笑っていない紫色の瞳が、笑みに細められた奥からじっと耀を凝視していた。

耀は息をつまらせる。

それは無論心当たりがあるからだ。

――クラッキングがバレている?

よぎる予感に耀はかぶりを振る。

そんなはずない、あれは完璧に遂行されていた――

「ねぇ、そこの柱に隠れてる子出てきなよ?」

「っ!?」
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