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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第1章 プロローグ


眩暈が、する。

頭がクラクラして、吐き気がこみ上げた。

いったいなにが起きた?

ぼんやりと思考を巡らせる。

覚えているのは、地震、ノイズ、それから――誰かの声。

えーと、それから?

それから……ラジオ、そうラジオをつけたんだ。

そしたら急に耳鳴りがして――

不意に、思考が途切れた。

見えるはずのないものが、視界の端を横切ったからだ。

それは、湯けむり。

自室にいる私が、お目にかかれるわけないシロモノ。

気のせいか、空気までもが温かく湿っている。

まるでお風呂場にいるみたいな……



――ガタ



「!?」

唐突な物音に肩が跳ねあがった。

私はひどい眩暈に頭を抱え、俯いたままだ。

だからその正体がまだ見えない。

家には私しかいないはず。

なら――!?
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