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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第2章 邂逅と眩暈と


「先生俺も――」

と、香くんが二人に続こうとする。

だが亜音速で耀に袖を引かれ、

「香はこれ以上湾が公子に変なことしないか見張ってるある!!」

「なっ!?」

そう耳打ちされる。

しかし音量がいかんせん小さいとは言えず、だだもれだった。

耀の混乱ぶりが滲みでている。

そして香くんの顔が赤いのは、怒っているせいだよね。そうだよね。

部屋を出て行く菊、耀、ヨンス。

その場に取り残される、香くん。

耀に袖を引かれたままの姿勢で、静止していた。

皆分別のある大人だから大丈夫ヨー、そんな湾ちゃんの言葉が聞こえた気がした。

――おそらく、風呂場で倒れたから服が濡れて、着替えさせる必要があったんだろう。

湾ちゃんはなにも悪くない……はず。

「…………」

なんというか、なんというか、頭からパーンとクラッカーの中身でも出そうだ。



とりあえず穴を掘りたい。

穴を掘ってその中に今すぐにでも入りたい。

そして埋めて下さい。

それだけが、私の望みです。
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