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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第17章 シュガーポットの在処は


私、公子はイライラしていた。

窓をたたく雨音は心地いいのに、イライラしていた。

というのも、話し合いが遅々として進まないのだ。

さっきまで話し合いのような話し合いをアーサーとしていたが、

「砂糖どこだい?」

「さっき自分で持ってったろ。つかその前に俺が入れたっつの」

「ついさっきまでここにあったのに」

「知るか。いつもの場所にないし、シュガーポットごと持ってくのはアルくらいだろ。お前のとこにあるはずだぜ」

「見たわけでもないくせになんだいそれ」

「――って大体人の紅茶にバカスカ砂糖入れ過ぎなんだよこのメタボ!!」

「なっ、きっ、君の紅茶が薄味なのがいけないんじゃないか!」

「んなぁ~にイイイィィィ!?」

このように、どこまでも不毛な争いの真っ最中に行ってしまっていた。

「菊もこのハンバーガー脳になんか言ってくれよ!」

「……いや……しかし……その可能性も……」

喚くアーサーを華麗に無視し――というか気づいていない――、菊といえば完全に自分の世界に入っていた。

なにを考えているのか、私が持ってきた本を片手に深い思索に沈んでいるようで、声をかけづらい。

本を渡してから、ずっとこんな調子だ。
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