第16章 尋問は庭先で
「――えぇい話が進まん! カークランド! 今やったことをさっさと説明しろ!!」
よくぞ言ってくれた。
まさに私が言いたかった言葉を、ルートが放った。
その怒号に気を取り直させられたのか、アーサーが咳払いする。
「結論からいうと、テレポーテーションだ」
大真面目なアーサー。
えー? なにいってんのー? と笑顔を咲かせるフェリちゃん。
菊が食いつきそうな話題だが――って誰かそろそろ本田を起こしてやれよ。
まぁ聞け、とアーサーは話し始めた。
「二週間と少し前か、この庭で物がなくなるようになった。じょうろやホースとかだ。
俺はわかったぜ、これは“例の異変”だとな。電磁波を計測したら大当たり、消失点に特徴的な電磁波だった。
ダメもとで発信器を置いといて移動先を調べようとしたが、あるとき忽然と電磁波がとだえた」
「――我が国の最新技術を凝らした渾身の発信器でしたのに」
「ひいぃっ!!」
地の底から湧き上がる声が聞こえた。
悲鳴をあげるアルに抱えられていた、菊だった。
どうやらやっと起きたらしい。