• テキストサイズ

【ヘタリア】周波数0325【APH】

第14章 高密度な静寂における解決策について


静かなエレベーターの中。

かすかな移動音がするだけで、ほとんど無音の空間だ。

おまけに、立てた鉛筆が倒れないであろうという程の震動のなさ。

自分が今本当に地上へ昇っているのか、わからなくなる。

「最新機なんですよー!」と菊が自信ありげに言っていたが、全く恐れ入る。

しかし、この無機質な状態に、ルートヴィッヒは未だに慣れなかった。

「おかしいな……もう電波遮断区域は過ぎたはずなのに……」

フェリシアーノが不安げに眉を下げる。

手にしているのは携帯電話だ。

「どうした?」

「菊が電話に出ないんだ。まさかアルフレッドとかに――」

「……」

しまった。

ルートヴィッヒは頭を抱えたくなった。

地上に出た後のことばかりが脳を占めていたせいで、菊のことをすっかり忘れていた。

それにギルベルトの行き先も気になる。

黙りこんだまま、益々表情を険しくさせるルートヴィッヒ。

フェリシアーノも言葉が見つからなかった。
/ 465ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp