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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第12章 幻想変動率XX%まで


「公子!」

すぐ目の前に、ルビーの瞳が飛び込んできた。

肩を揺さぶりながら、必死の形相で私を呼んでいる。

「大丈夫あるかっ!?」

「まさか公子ちゃん……」

「しばらく休ませた方がいいだろう」

「ヴェー……ギル、公子ちゃん大丈夫なの?」

私のまわりに、5人が集まっていた。

不安げな表情は硬い。

口々にする言葉は困惑しつつも、ある種の予感を含んでいた。

「もう大丈夫だ。心配すんな」

ギルはそう言って、真摯な眼差しで私を見つめた。

堅固な意志を示すような、強い光が宿っていた。

見えない糸に操られ、私の手がギルの頬にふれる。

ギルは驚いた表情を浮かべた。

「……かい」

「?」

「あったかい……」

手のひらから伝わる温もりに、ぽろぽろと涙があふれてくる。

肌をすべって、しずくが落ちていった。

安堵に緊張がほどけていく。

温かい。生きてる。ちゃんと生きてる。

「ふぎゅっ」

ギルが私の背中を軽く押した。

ぽすっとギルの腕の中におさめられ、頭を撫でられる。

「慰めに俺様が撫でてやるぜー!」

つまり私は抱きしめられていた。

といっても、がっちりではなく対小動物のようなかんじだ。

私は小鳥かおい。
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