第12章 恋人同士の日常 ~宍戸 亮 編~
宍戸『だあああぁ~っ!!イライラするぜ。』
理由は、昨日の彼女とのケンカ。アイツは、俺にはムリだって言いやがった。
怒りが冷めやらないまま、翌日を迎え今に至る。
それは昼休みになっても収まることなく継続中。が、俺はとんでもないモノを見てしまった。
宍戸『な、何なんだよ……俺に対する当て付けか?何で他の男と親密にしてんだ!!』
背後から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
?『あら、亮くん。こんな場所で会うなんて偶然ねぇ?』
宍戸『香っ!!?じ、じゃぁ……。』
仲睦まじくしていた男女の女が振り返り……俺は唖然。
藤堂『昨日、言ったこと覚えてるかしら~?』
宍戸『ぐっ……。』
逃げ道がねぇ。昨日、あんな啖呵切っちまったから…。
藤堂『お忘れのようなら、教えて差し上げましょうか?』
怖くてアイツの顔が見えねぇ…。何であんなことを…。
【俺がお前を見間違える筈がねぇ!!】
アイツは忍足が彼女にベタぼれで、そんな彼女をどこでいても忍足なら見付けそうだと言いやがった。
だったら俺だって!!が、その結果がこれだ……。
宍戸『悪かった。この通りだ!!』
潔く謝ることを選んだ。グダグダ言ったって仕方ねぇからな。
藤堂『私の言うことを聞いてくれたら、許してあげる。』
宍戸『な、何だ…?』
若干、逃げ腰な俺。
藤堂『自分の彼女を見間違わないくらい、私にも亮との時間を作って欲しい。』
つまり……一緒にいる時間を増やせと言うことか?
宍戸『そ、そんなことでいいのか?』
藤堂『【今は】ね?但し、次間違えたら許さないから。』
俺……コイツに頭が上がらねぇ。確かに、普段からサバサバしていて付き合いやすいヤツだがどういうわけか……惚れてしまったのは事実で…。
宍戸『し、精進するぜ。』
藤堂『頑張ってね?【彼氏】の亮くん。』
今、背筋に冷たい気配を感じたのは気のせいではないはず……。