第8章 イケメンコンテスト
フィギュアの箱を大切そうに抱えた京ちゃんが、キョロキョロと何かを探してる。
探し物はここにあるよ。
私はもう疑ったりしない。
ヤキモチはきっと、これからもたくさん焼くけど……
別れるなんて絶対に言わない。
「京ちゃん!!」
大きな声で呼びかけた。
「わぁっ、澪奈、よかった来てくれてたんだ。
俺、澪奈に言いたいことがあって」
「知ってる。
ちゃんと聞いてた」
私は笑いかける。
世界で一番カッコイイ、大切な人の告白、絶対に忘れないよ。
「あ、でも……。
一個だけ追加したいことが………」
なんだかそわそわしている京ちゃんに首を傾げる。
「なぁに?」
「コスプレしなくても好きだけど、あの、でも、やっぱして欲しい………。
さすが美香ちゃん、小悪魔、すげー似合ってる。
俺、また心奪われちゃった」
照れてる京ちゃんが可愛い。
そうだった。
美香が用意してくれた小悪魔のコスプレ着てたんだ。
色んなことがあってすっかり忘れてた。
「いいよ。京ちゃんの為なら、いつでも着てあげる」