第4章 服装改革①
「痩せたって、オタクはオタクだろ。
お前さぁ、いっつもあいつにやられてんの?
そのでかい胸が目当てなんじゃねー」
……っ!
失礼なんだから。
クラスメートの男子って子どもっぽくて、すぐ下品なこと言ってくるから嫌なんだよね。
「京ちゃんはそんなんじゃないもん、すっごく優しいんだから!」
唇を噛んで言い返すと、葉山くんはふふん、と笑った。そういう不敵な笑みが、女子を喜ばせることは知ってる。
確かに誰が見たって格好いい。
「どーせコスプレとかやらされてんだろ。
彼氏が好きなのはお前じゃなくて、コスプレしてくれる彼女なんじゃねーの?」
……。
違うって言い返せない。
涙……出そう……。
黙ってうつむいた私の顔を、慌てた様子で葉山くんは覗き込んできた。
「うわっ、嘘だよ。ジョーダン!
泣くなよ、買い物ぐらい付き合ってやるから」
「葉山!澪奈のこと泣かさないでよ!
何したの?」
強い口調で、美香ちゃんが言い返して、よしよししてくれる。