第3章 コンタクトレンズ
あ、そうだ。
あの瓶底メガネを何とかしなくちゃ。
「京ちゃん、コンタクトにしよう」誘うと何で言うことを聞くと言っていた京ちゃんが初めて、「えぇー……」と表情を曇らせた。
そういえば痛がり怖がりの京ちゃん。以前私がコンタクトを入れているのを見て、「そんな痛そうなこと、澪奈はよくするね。俺は絶対やだ」って言ってたっけ。
説得しようと頑張ったけれど、「やだ、やだ、もうフィギュアは諦める」なんて後ろ向き発言まで飛び出した。
そうなると焦るのは私の方。
やだ、やだ、せっかく京ちゃんとテニスができるチャンスなのに。
せっかく京ちゃんの料理がさらに上手くなるチャンスなのに。
こうなったら仕方ない。
私は秘密兵器を使うことにした。