第1章 揺れる青髪に、恋
「ふぁ~!」
それなりに友達もいるし、別に心を病んでいるわけでもなく、ただただ惰性で吸っているとはいえ、その時間はとても心地いいものだった。
においを消すためのガムやら香水やら、きちんと持っていることを確認したあと、私は煙草に火をつけた。
ゆっくりと息を吐けば、ゆらゆらと煙草の煙が空に馴染む。
「うま…」
「みーちゃった。」
そのとき、明るい声が私の背中にむけられた。
「!」
「2-A、 。俺のクラスの生徒、だね。」
「く、九瓏…せん、せ」
やらかした。
取り敢えず第一犯目という事を主張すれば、厳重注意…いや、停学、停学は厳しいな、どうすれば。
頭の中で、どう言い訳するかを考えている間に、九瓏先生はゆっくりとこちらに近づく。
「、煙草とライター。没収ー!」
先生は私が左手に握っていた煙草とライターをひょい、と奪い、箱を開け、一本取り出し、火をつけ…
(火を、つけ…?)
「…マルボロミディアムか。悪くないね。」
先生は、そういって緩く笑った。
馬鹿みたいに簡単だった、
その笑顔に恋をするのは。