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深海のリトルクライ(アルスマグナ/九瓏ケント)

第11章 ひとつの恋が終わる時



『距離があっても平気!俺はぜってーの事好き!』

それ位の返事が返ってくると思っていたけれど、アキラの返事はか細いもので。

「…やっぱ、一旦、離れて、気持ちリセットしてみても、いんじゃねーのかな。」

一度も目を合わさずに、アキラはそう紡ぐ。

「本心じゃ、ない、よね?」
「…。」

(嘘をつく時、アキラは左下を見るんだ。)
ほら、こんな所まで、やっと分かるようになったのに。

「…また、ちゃんと話すわ。」

今日は帰ろう、明日から学校だし。
まだ15時を回ったばかりだというのに、アキラはすくっと立ち上がり、レジに向かった。

彼が私を好きで、必死に振り向かせようとしていたんじゃないの?という慢心がないといえば嘘になるけど、
こんなにすぐに嫌いになったりなんて、しない、よね?

(…わかんないよ)

私も追いかけるように立ち上がり、彼の背中についていった。

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