第4章 記憶
教室に戻ると亮のかばんはもうなかった
「あれ?帰ったのかな」
まぁもとから帰るとか言ってなかったけど
待っててくれてもいいじゃんと少し思った
私はかばんをとって教室から出た。
エレベーターをおり、エントランスにでると
夕日がバックになり、黒髪が綺麗に光っている亮がいた。
「亮?」
こちらを向いていず、
気付いてなかったみたいなので
後ろから声をかけた。
「おそい、どこにいっていた?」
「先生に用事頼まれちゃって、
本おきに図書室行ってた」
「そうか…俺がもったのに」
「優しいね、ありがとう」
亮は少し驚いた顔をしていた。
そしてふと思い出したように
私に向かって言った。
「おまえと話したいことがある」
あ…前、言ってたな…
なんだろう?
「うん、いいよ」