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【スイートルームの眠り姫】学園の眠り姫

第3章 すれ違い


「私…初めてだったのに…」

こんなことされたのに
胸がドキドキうるさい
高鳴る胸の鼓動で張り裂けそう

「いや、ちょっとまってください」

「本気じゃない…
本気じゃないキスなんかいらない!
亮と同じぐらい…いや、亮より最低!
もう、いいです!」

私は屋上をでた
頬を流れた生暖かい雫は
すべて裏切られた証のように思えた

「環奈!待って!」

私は屋上から逃げ出すように走った。

なんで、なんで

財前の娘ってだけでキスできるの?

あなたにとって私はそんなに軽い存在でしたか?

今まで助けてくれたのはなんだったんですか?

言いたいのに言えない事がたくさん溢れてくる

でもいまどき、高校生なのに、
キスくらいで怒って泣く私も変だ

そうだ、私は養子として
財前の娘になって全てが変わった

みんな私の事受け入れてくれたと思ってた


――――――…でもそれは私が養子だから

"財前"の肩書き、みんな奪いに来る

もう、早く帰りたい

養子、今まであんまり考えなかったけど

"売られた子"ってことなんだろうか。
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