第3章 すれ違い
「…次、12番」
「は、はい」
いけない、私は財閥の社長令嬢だ。
がんばれ私!
「ダイヤモンド、財前環奈です。
これからよろしくお願いします」
「あれが財前財閥のお嬢様ですか」
「お美しい人ね」
「会えて光栄ですわ」
あ、ありがとうございます…
そんな私にはもったいない褒め言葉
あれ?みんないい人なのかな
私は決して美しくはないけど…
「次、13番」
はぁ、緊張した…
「金、渋谷誠二です。
卒業までよろしくお願いします」
ここ、みんなお嬢様とかお坊ちゃま
ばっかりなんだもん
…て、え?!
ばっと後ろを振り返った
そこには、先週私をどきどきさせた
―――カレがいた――――…