第2章 スイートルーム
「あ、そういえば、誠二くんって桃好きなんですか?」
さっき送ってくれた桃をみつけて
思った疑問を口にする
「はい、好きというか
熱がでるといつも食べていて…
もしかして嫌いでしたか?」
「いえ、私も小さい頃になりますが、
よく桃を切ってもらっていて
すごく、懐かしく感じたので…」
思い出すと胸が締め付けられる…
とっくにこの思いは捨てたはずなのに
瞳が熱くなるような思いをして
私はうつむいた
「失礼しました、嫌なこと思い出させてしまって」
「いえ…私のほうこそ…」
やっぱり誰かに似てる、誠二くん…
「あ、桃、食べましたか?」
「いえ、今冷やしてるんです」
「俺切るんで食べます?」
「あ、はい、今とって…」
ベットから降りて冷蔵庫に向かうと
たちくらみがし、
「環奈さん!!」
誠二くんの声が聞こえたところで
意識がぷつり、ときれた