第2章 スイートルーム
コンコン。
「お見舞いにきました」
ぎりぎり寸止めのころで
見知った声が室外から聞こえた
渋谷くんだ
「タイミングが悪い
大した用件ではないのだろう?
あとにしてくれ、取り込み中だ」
「秋月亮…?!」
渋谷くんはびっくりした声でそう言った。
てゆうかこいつ…!!
お見舞いに来てくれたのって
めちゃくちゃ大したことじゃない!
渋谷くんだって忙しい合間をぬってきてくれたのに…
しかも取り込み中って!
「あんた何様のつもりよ!」
あ…つい叫んでしまった…
「くっ、俺様にそんな口をきくのは
お前だけだ、おもしろい」
また顔が近づく…
嫌、渋谷くん…!
「っ…や、め…」
「亮、おまえ…」
驚いた渋谷くんが中にはいってきた。
秋月くんが入ってきてから
扉の鍵はアンロックのままだったのだろう
「渋谷くん…!」
正直、ほっとした
助けにきてくれた…
「邪魔をするな
取り込み中だといっただろう」
「とっとと帰れよ」
渋谷くんがいつもと違う
顔つきで話す
「邪魔な奴がきたな、
まぁ、俺は帰る、
次は覚悟しておけよ、環奈」
「っ、ばか!」
「ふっ…からかいがいがある」
そういって部屋からでていった
「何様よ、あいつ…
本当に同い年なのかな
って…あ!」
私、今完全に渋谷くんの存在忘れてた…
お嬢様っぽくなかった…