第2章 スイートルーム
コンコン。
誰かが扉をノックしている。
「開けるぞ」
この声は…
「俺様男!!って!!
ちょっとまって私今髪ぼさぼさで服も…」
「そんなの気にしない
あと、俺は秋月亮だ
何度言ったらわかる」
秋月、ってあの?
財閥の御曹司だと雪人から聞いた。
私が待ってといったけど
そんなことも聞かずに入ってくる
「…なんの用ですか…」
「お前、それでも隠れているつもりか?」
私はとっさに布団にもぐりこんだが…
「きゃぁっ!」
あっさりと布団をのけられてしまった。
目の前に一度見ると目を奪われるほど
整っている顔をもった男が現れる
秋月亮さん、
やっぱりなにか…似ている。
「俺に見惚れているのか?」
口角を上げてニヤリと笑っている
俺様男の言葉に私ははっとして
「そんなわけないです!!」
「そんな照れずともお前のことなど
すべてお見通しだ
熱があるのもあるだろう…
いいから寝てろ」
もう、一体どう育てれば
こんな風になるのかと逆に疑問に思った。
なんで会ったばかりなのにわかるんだろう
会ったばかりって感じしないけど…
でも、少し優しさも感じ、
心が温かくなった。
よく見てみると
手に花を持っている。
赤くて綺麗な花。
「それ…」
「ああ、見舞いおそくなった
花、持ってきた」
「ありがとうございます」
秋月くんが花なんて…
似合わずに笑いをこらえていると
むっとした表情で私に近寄ってきた