第1章 下校
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朝のこと
家が隣同士の春香と奏は朝も一緒に登校するし、時々どちらかの家で朝ごはんを一緒に食べたりもする
家族ぐるみで仲がいいのだ
「おっはよーっ!」
起きて春香ーっ!と朝からユサユサとユサユサと揺さぶられ目を覚ました春香は
奏でから、はい、これ。今日帰りにつけるんだよ?と何か小さなモノを渡された
まだ寝ぼけていた春香は「わかったぁ」とぼんやりとした思考でそれが何かを確認もせず、ポーチに入れたのだった
ーー
そして現在に戻る
ポーチから取り出した小さな楕円形のプラスチックを手に取り考える
ーこれってもしかしなくても絶対にローターだよね?
時々。ケータイの広告とかででてくるものとほとんどそっくりで、ただ、紐と箱みたいなものは付いていないが
大方その予想であっているはずだ
「いれるとか…」
ムリ…とポーチにしまいトイレを出ようとしたところで、春香のケータイが鳴る