第8章 思わぬ転機
『そうよ!詳しくは社長が来てからね!』
『社長?』
『さっき電話で呼んだから、あと10分もすればくると思うわ!』
社長って、え??断れない雰囲気じゃん!
そして10分後、本当に社長さんがスタジオにやってきた。
『おぉ!!!この子がミツキの言ってた子か!』
『そうです!このスタイルと、なんたってこの綺麗なフェイス!!!』
『完璧だ!!この子こそが5人目にふさわしいぞ!よく見つけたミツキ!』
そういい、2人で手を握って喜んでいる。
『は、は、ははは』
なにこの状況!苦笑いしか出来ないし!
『ってか、私が5人目ぇえええ!!??』
『そうだ。実は、ソレイユの妹分のアイドルを作ろうとしていてな。もうすでに4人は決まっているんだ!そして最後の1人が君ってわけだよ。』
『そうなんですね、、、って!そんなすぐに承諾できませんよぉ!!』
『な、なぜだ?!』
なぜだ?!って!
『そうよぉ!こんないい話ないわよぉ?』
『ですけど、私がアイドルなんて似合いません!』
こんなアイドルに興味もないのに、なれとかいわれても無理だよ。
『そんなことはない、よく聞いてくれ。妹分アイドルの名前はもう決まっている。“レインボーシスター”といって、5人が自分たちの色という個性を出して活動するアイドルだ。だからこそ君のような子を探してたんだよ』
『レインボーシスター、、、』
私は子どもの頃から踊ることが大好きだった。
アイドルになろうとかは考えたことはなかったけど。
意外と楽しいのかも、、、
『わ、、わたし、やってみます』
『そうこなくっちゃ!』
『よし、決まりだな!明日には他のメンバーとの顔合わせもあるから、オフィスにきてくれ』
『明日はオフィスでライブの打ち合わせもありますし、僕が連れて行きます!』
『おう、頼んだぞ』
そういい、目尻に沢山のシワを作った笑顔でスタジオを去って行った。
社長が帰ると、メンバー達が一斉に私の方へ走ってきた。
『おめでとおぉおおお!!』
『れいなが俺たちの妹分かぁ!』
『なんかいいですね!』
無口なユウさんも、少し微笑んでいた。