第1章 プロローグ
『そんなお前達に一つ報告があるぞ!』
お父さんのその言葉に、お兄ちゃんと目を合わせ、首を傾げる。
『実はな、お父さんとお母さんが2人で前から話し合ってたことなんだが』
『え、待って、、嫌な予感がする』
前にも似たような事があった。
お父さん達、突拍子もないことを急に言ってくるんだよね。
『お父さん達、田舎に引っ越そうと思う』
『、、、、、、は!?』
私の予感は当たってしまったようだ。
突拍子もなさすぎて、理解ができない。
『前々から話してたのよね〜、子どもたちが大きくなったら2人で田舎でゆっくり暮らしたいって!』
『え、でも待って、いつの話してる?』
この人たちのことだから、おそらく先の話ではない。
『れいなが高校を卒業したらだな!』
と、お父さんはガハハと大口を開けて笑いながら言う。
『え!?早すぎない!?この家どうするの!』
『この家は売っちゃうわよ〜、あなたはお兄ちゃんと一緒に住めば問題なし!!ね?』
そういい、お母さんはまだ涙で潤んだ目をしながら、満面の笑みでお父さんに問いかける。
『れいなももう大人になるわけだし、そろそろ親離れしてもいいんじゃないか?一人でなんでもできるようにならないとな!』
『ねーーー、お兄ちゃんもなんか言ってよ!!』
埒があかないので、お兄ちゃんに助け舟を出してもらおう!
『んーまぁいいんじゃない??ちょうど俺らの家に空き部屋一つあるし、お前浪人してどうせ暇だろうからいい刺激になるんじゃない?』
お兄ちゃんまでーーーーー、、
どう足掻いても回避することは出来なさそう。
うぅ、、、、。