第7章 俺様アイドル
『ってことはさ、れいなのファーストキスはレンだったってこと?!』
『たぶんね』
『あ、いや、、、』
私が説明しようとすると
『残念。初キスは俺だよ』
ユウさんのその言葉にシュンとアラタは、えーーっ!!と悲鳴をあげている。
『え、嘘だろ。いつしたんだよ!!』
『2人でいる時なかったじゃん!』
『楽屋で』
2人はガクッと両手を床につけて、悲しみにふけている様子だった。
『まぁまぁ!そんな落ち込まないの!』
『そうだぞ!』
『レンが言うな!!れいなからされてるんだからさーー』
ってか皆どんだけキスしたいの!?
『まぁ、そういうわけで初キスは俺もらってるから』
そういい、私の肩をグッと自分の方へ寄せる。
えっ!また急にこういうことを、、、
『ほらほら、れいなちゃんまた顔赤くなってるから!ユウもほどほどにね!』
『はいはい』
そして私の肩をゆっくり離す。
離さないで、、、って、、なに考えてるんだ私。
自分の予想外の心の声に少し戸惑いながらも、必死に余裕の表情を保つ。
『ほら、もう遅いから寝るぞ!』
カケルさんの言葉で皆それぞれ部屋に戻る。
皆が部屋に戻ったところで、また2人きりになる。
『お前顔真っ赤にしすぎ』
『へっ!?』
『なにその声』
そういい、少し幼さの残った顔で笑う。
このユウさんの時折見せる無邪気な笑顔が好き、、
『あ、あの!また、、、来てもいいかな』
私は勇気を振り絞って伝えた。
『ここにか?、、、いいけど、来たら襲うよ』
そういい、急に大人の男性の顔に戻る。
その獲物を逃がさない猛獣のような目で見られると、目をそらせなくなる。
『はい、、』
『ならいいよ、俺が相手してやる』
そういい、私の頭の後ろに手をまわす。
『抵抗しなくなったな、もう怖くないのか』
私はコクリと頷く。
『俺は抵抗された方がいじめたくなるけどね』
『でも、、抵抗する理由がないから、、』
『そっか』
そう一言いい、私の唇に優しくキスをする。
リップ音だけが静かに鳴り響く。
今までのキスとは違う、優しいキス。