第6章 歓迎会
私が皆を起こしに行こうとした時、カケルさんを先頭にちょうどよく四人とも降りてきた。
『いい匂いしたから降りてきたよ』
『めっちゃいい匂い!』
『今日なに作ったんですかー?』
怖いほど可愛い顔で言うアラタ。
『トンカツを作ってみました!』
『やったぁ!僕も手伝います!』
そういい、アラタは早い足取りでキッチンに向かって行った。
私もアラタに続いてキッチンに向かう。
『手伝ってくれるの??』
『手伝ったらなにかしてくれんの?』
2人きりになった途端、本性を出してくる。
本当二重人格怖いわ!!
『なにもしませんよーーだっ!!』
べーっと舌を出して、挑発気味に言った。
『なにその顔!うける』
そういい、私に向かって人差し指を指してケラケラと笑っている。
ムカつくーーっ!
私が1人ムッとしてるのをよそに、可愛い顔をしながらお皿を運んでいる。
まぁ、なんだかんだ運んでくれるわけね。
まぁいいか、と許してしまう自分の甘さに少し情けない気持ちになった。
お兄ちゃんは、リビングが騒がしいおかげでスイッチを入れられたように目覚めた。