第12章 レイシスデビュー
月日はあっという間にすぎ、今日はとうとうデビューライブ本番!
この前のリハーサルでは、初めてソレイユとレイシスが顔を合わせた。
アカナちゃんは相変わらずクールで、あのシュンでさえちょっと困り顔だったのを思い出す。
そしてアラタは、いつにも増して天使の笑顔を振りまいていた。
あれは誰がどう見ても、裏の顔があるなんて思わないよね。
そんなこんなで、今はソレイユがライブをしている最中で、私たちは出番を今か今かと待ちわびている。
本番の衣装も想像以上に華やかで、みんな気に入っている様子だった。
一番喜んでたのはミドリちゃんだったけどね。
『そろそろ裏に行くぞー』
タツキさんのその言葉に、さっきまでの緊張を遥かに超えるものが襲ってきた。
口から心臓が出ちゃいそうだよぉおお。
ステージ裏に近づくにつれて、ファンのピンク色の歓声がどんどん大きく聞こえてくる。
『緊張しますね、、』
しっかり者のアオコちゃんも、緊張のあまり少し手が震えてる様子だった。
『さすがのキコも結構やばいかもぉおお』
『ミドリも無理ですぅうう』
そんな2人をよそに、アカナちゃんは顔色1つ変えず平気な様子だった。
『アカナちゃんは緊張してる?』
思わず口に出してしまった。
『うん、こうみえても緊張してるよ。でも、すごいワクワクしてる。』
そういったアカナちゃんの目は、いつも以上にやる気に満ち溢れ、キラキラと輝いてみえた。
『そうだよね!!緊張吹き飛ばすくらい、おもっきり楽しもうー!!』
ステージの方に耳を傾けると、カケルさんが私たちの紹介をしてくれているようだった。
よし、今までの練習を無駄にしないように、全力で楽しんでこよう。
『レインボーシスター!!レッツ、エンジョイ!!!』
5人で手を上に掲げ、ステージへと繰り出した。