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ケダモノタチ
第2章 獣の住処
三月下旬の朝。
もうすぐ春とはいえ、流石に朝は冷える。
「は?今なんて?」
パーカーを羽織りながら、高校一年生活を終えた私、神保彩世は、我が家のリビングでそう言った。
私の隣に座る父さんは、朝ごはんであるジャムトーストをモグモグする。
そして、ゴクンとトーストを飲み込むと、一言、
「だから、パパね、来週から中国でお仕事するんだ」
と言った。
「…は?中、国?」
再びトーストを口に運ぶ父さんを見てポカンとする私。
来週から?中国?アンニョハセヨ?あ、これは韓国語か。
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