• テキストサイズ

月が綺麗ですね

第2章 お祖母ちゃんの家


ああ、なんて久しぶりなんだろう。
蒸せるような草のにおい。
その草の間をぴょんぴょん飛び回るバッタたち。
あたしは大きく畳の上でのびをした。
「美月!ちょっと手伝ってくれる?」
「今いくよー、お祖母ちゃん。」
もうちょっと畳の上で遊んでいたかったがしょうがない。もう中2なのだ。
遊んでばかりではいられない。
「美月、ごめんねー。たまーに来たから美味しいご飯作りたくて…♪これ、切っといて。」
お祖母ちゃんと並んで料理する。
前もこんなことあったかな。
うん、あった。
あの頃は危ないよっていうお祖母ちゃんに大丈夫って無理矢理、料理を手伝ってたんだ。
お祖母ちゃん、背縮んだ気がするなぁ。
気のせいかなぁ、あたしが背大きくなったのもあるとは思うけど……。
「美月、天音はどこいった?」
「えー、あまちゃん?しらーん、虫捕まえに行ってるんじゃない?」
「まさか!美月じゃあるまいし。」
「あー、ひどーいお祖母ちゃん!」
ああ、こういうやり取りも久しぶりだ。
陽気に笑うお祖母ちゃんを見てると、なんか楽しくなる。
「幸大が死んでから、何年たったんだろうねぇ。」
「5年よ、百合子さん。」
「おや、天音!どこ行ってたんだい?」
「カブトムシと、クワガタ用のトラップを仕掛けに。3000円は行くかな…✨」
「あまちゃん、なんか怖い……。」
天音が怖く見えてきた。
まだ小4だというのにこの金への執着心はなんなのだ。
「天音、そういえば……。」
お祖母ちゃんの一言は、騒音によってかき消された。
ガッシャーン!!!
「なんの音だい?」
「わかんないけど、百合子さんの部屋からだよ‼」
天音が慌てて走り出す。
「あ、あまちゃん!」
あたしも無我夢中になって部屋へと向かう。
お祖母ちゃんが守ってきたこの家に強盗とかが入ってきたら、どうしよう!
「あいちゃん!そんな走らなくても……!」
「そーいうあまちゃんも走ってるしー。」
乱暴に障子を開けると中には……
「お、お母さん?」
「百合子さんの部屋掃除しようとしたら、花瓶倒しちゃって…♪」
「早苗ちゃん、気遣いなんかいらないよといったのに……。」
和えて諭すように言うお祖母ちゃんの言葉はもう後の祭りだ。
「天音、雑巾持ってきて。美月は、掃除機。」
お母さんは何故かちゃぶ台を動かしている。
「早苗ちゃん?何してるんだい……、美月、そこは濡れてるよ!」
/ 4ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp