第3章 三話 音の無い世界
『俺が望むのはただ一つ、伝えられなかった思いを伝えたい』
そして、俺はこれを書いた後に泣き疲れてすぐ寝た
9月20日(木)7時50分
起きると、同じく病室には涼介が居た
『てことは…願いが叶ったのか』
『んー結布君おはよー』
『おはよ…なあ、涼介さん聞いて欲しい事がある』
すると、寝ぼけていた涼介さんが真面目な顔になった
『どーしたの?』
『あのさ…俺…将来作曲家になる
いっぱい勉強するから…だから先に涼介は病気を直せよ?』すると彼は嬉しそうに
『うん!』と頷いた
そうして彼は天国に行った
『涼介さん…お前の為にも絶対作曲家になるから、だから空から見守ってくれよな』
因みに母親に聞いたところ涼介さんはもう、完治できないガンだったらしい
涼介さんが亡くなってからあの病院からはもう音楽広場からピアノを弾く音は聞こえなくなった。
三話 音の無い世界end