第30章 櫻井翔 × 幼なじみ
けど
ピーンポーン
「はーい」
土曜日。
智は長期出張で家にいなかった日、翔が家にやってきた。
来た理由はいつも通り。
「愚痴らせて」
智がいる時もいつもこんな感じ。
「はいはい、どうぞー」
正直、智がいないときにあげるのは心配だったけど、翔だしと思ったから。
一通り翔が愚痴を吐き終えると
「智さん、いないの?」
「うん、長期出張。」
そう言うと、翔は私を抱きしめた。
「…」
「…」
お互い何も言わない。
私も彼を抱きしめると、自分の唇を私の唇に着ける。
それが深くなっていくと同時に私が押し倒される。
「ずっと、好きだった…」
私は彼のつぶやきをあえて無視した。