• テキストサイズ

干支様あなたの番ですよ!

第2章 ひつじ


「えっと、神崎栞です。人間です。辰年です。未来ちゃんの見た目の歳に近いかな、あ、見た目の歳より下だけど」

…なぜ自己紹介をする必要が?私は早く帰りたいの

「よろしくね、シオちゃん!」

「よろしく!」「よろしくお願いします。」「よろしくな!」

でも皆んながそれぞれ笑顔を向けてくれるから
帰りたいなんて言えなかった
それを察した龍一さんが、

「栞さんの思っていることは分かります。ですが、未来が此処へ呼んでしまった限り、当分の間は帰れません」

帰れない?

「ごめんね、僕の我儘の所為で帰れなくなっちゃって」

帰れないなんて、ごめんねじゃ済まされないよ。

「…未来の所為ってのもあるが、反対出来なかった俺らも悪い。だから、お詫びって言ってらおかしいけどよ」

「シオちゃんの、これからの生活が楽しいものになるようにって思って」

帰って少年と美咲ちゃんと戯れたい。

「栞の部屋をここに移動させたんだ!」


は?

「え、ちょっと待って待って!私の部屋を移動させた⁉︎」

「そうです。栞さんの部屋はこちらに」

襖を開けたそこに見えたのは
襖に合わないフローリングの床と、見慣れた自分の部屋

「…え、凄いね。凄いけど、私の家はどうなっちゃったの?」

「それも大丈夫よ、元いたところの時間は進んでないから」

…これも神様だから何でも出来る。みたいな、やっぱり神様か。

「なんか、ホームシック絶対なりそうだけど…よろしくお願いします!」

「うんうん!よろしくね〜、もし泣きたくなったらお姉さんの胸に飛び込んでおいで!」

「お、お姉さん!!ありがとう、あなたの胸に埋もれたい」

「なっ、栞!そんなこと言っちゃダメだよ!」

「未来ちゃん男でしょ、埋もれたいっね思わないの?」

「ふふ、思うわけ無いわよシオちゃん、だって毎日こう抱きしめてるから!」

そういうことね、羨ましい。

「未来ちゃん、君は私のライバル!ずるいよ!」

「こ、これは良くなんてないし、ババアが勝手に」

また背筋の凍るような笑みみ浮かべる巻姉さん

「誰がババアだって〜?お姉さん、でしょお?」

抱きしめる、から抱き絞めるに変わる
ごめん未来ちゃん、私には助けられない
/ 23ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp