第40章 少年
作者から
本当はやりたいことがあるのに逃げている奴は誰だ。
"お前は何もない"
そう言われて、心の中で泣いているのは誰だ。
何もないわけじゃない。
本当はあるんだ。
その口を塞ぐのは自分じゃない。
周りの、無言。
相手からの、"察しろ"と言う無言。
君は今にでもその口を開き、喉が枯れるまで叫ぼたいはずなのに。
数多の手が君の口を塞ぎ、君の足を掴み、"常識"の中に閉じ込めようとするだろう。
それではつまらないじゃないか。
さぁ。口から手が外れないのなら噛みきってしまえ。
足をすすめることができないのなら足首を掴む手ごと引っ張って行ってしまえ。
君は本来、何にも捕われるべき存在じゃない。