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夢の端々~「君が笑う、その時まで」短編

第1章 ご縁がありますように


◆◇1/3
《皆で初詣にいきましょ!待ち合わせは――》

 待ち合わせの場所に向かうと、既に誠凜高校バスケ部の面々が集まっていた。
 とはいえ、この辺りでは有名な社だ。初詣客でごったかえした参道から身動きが取れず、思うように抜け出せずにいる。

 人々の頭をかいくぐった先には見知った顔が見えるというのに、どうにもならない距離感がもどかしい。

伊織「リコせんぱっ…皆さーん!!」

 手を振って、声を張り上げる。だが、誰ひとりとして気付いた様子はない。

 おそらくこのままだと人混みに流れてしまうほかない。
 何とかして皆の所に行きたいが、行くすべが思い浮かばない。

 せっかくリコ先輩が誘ってくれた、バスケ部の皆との初詣。
 誰かと行く初詣なんて今日が初めてだったからとても嬉しかったのに。

 皆に心配かけちゃってるなぁ……。
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