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(R18) 雑草ノ花 (弐) ─鬼灯の冷徹─

第5章 【彼女が見た夢】



艶やかな彩色の、
鮮烈な赤が目に眩しい
女郎部屋だった。

その廓のなかでも
とびきり豪華な布団に、
紗英は組み敷かれている。

行灯の火が落とすのは、
まぐわい重なる男女の影。

「紗英……っ」

「んっ……は、あ
白澤、様ぁ……っ」

体位を変え何度も交わる
白澤と紗英は恍惚として、
互いの眼(まなこ)を
食い入るように見つめ合う。

その瞳に宿る情熱たるや、


──まさに焦熱。


これが邪淫であったなら
熱く焼けた鉄串に、身を、心を、
ずぶりと貫かれたことだろう。

地獄の女郎に似つかわしく
妖艶な嬌声をあげる紗英は、

「いっそこのまま……貴方と」

業の炎に焼かれてしまいたい。

決して叶わぬ願いを胸に、

白のよく似合うその人を
心から愛した白澤自身を

文字通り全身全霊で
受け止めるのであった。
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