第15章 夢の中の知らない君【黄瀬/N】
「ん……」
『あ、涼くん起きた!……おはよう』
「悠っち?……おはようっス……ん?何スか、これ?」
ベッドの上で気持ち良く寝ていた俺は目を覚ますと、俺の上には愛しい彼女が腹の上に跨がって居た。
意識がハッキリして来て状況を理解しようとすると、俺は自分の格好に目を見開いて驚く。
ベッドの上はベッドの上でも自室のベッドではなく、悠っちのベッドの上に居り、俺は制服姿で両手を図上のベッドの柵に縛られ、両足をベッドの足に固定されている。
プラス腰も浮かない様にと、キツく縛られていた。
戸惑いがちに彼女を見上げると、普段見た事のない妖しい微笑みを浮かべていた。
いつもは俺の上に乗るのを恥ずかしがって、凄い嫌がる子なんスよ?
絶対悠っちから、攻める事は一度もないっス!
『今日は私が動くから、涼くんは絶対動いたらダメよ?』
「悠っちが!?」
『初めてだから下手かも知れないけど……私で気持ち良くなって?』
「は、はい!大歓迎っス!」
まさか彼女の方から誘われる日が来るとは!?
初めてのシチュエーションに、俺の心臓の音は耳にまで響きそうな程激しい。
俺は襲われるより襲いたい方っスけど、珍しく可愛い彼女が勇気を出して言ってくれてるんスよ?
断れる訳ないじゃないっスかぁ~
現在、浮かれている俺。
しかし、この後自分がどんな目に遭うのか、想像して居なかった行為が行われる。
『んぅ……ふっ……』
「……っ……ん……」
俺の上に乗ったままの悠っちは、ちゅっちゅっとぎこちなく軽く触れるだけのキスをする。
取り敢えずは彼女に全てを委ね、擽ったい様な可愛い口付けを堪能する。
徐々に深いものに変わり小さい舌が俺の口内に挿入って来ると、ねっとりと絡められる。
可愛いなぁっと暢気に思っていた矢先、不意にグリッと舌を絡め取られ、ちゅぅっと強く吸い上げられてしまう。
「んぅー!!……悠ッ……ち……」
『……はぁ……もっと舌出して?』
あまりの衝撃に、驚きを隠せない俺。
だっていつもならキスするのも恥ずかしがって、逃げる小さな舌を俺のが追い掛ける。
そしてしつこいくらい、彼女とのキスを堪能する。
いきなり大胆で、俺の股間は素直に反応する。