第2章 *ずっと一緒に【縁下力】
ずっと一緒だと思ってた。
ずっと一緒にいたかった。
その気持ちは今でも変わらない…。
私の想いはもう…止められない。
仁花も大好きで大切な友達だけど、
力くんのことは諦めたくない……!!
「…さっき、仁花と力くんが商店街に2人でいたのを見たの…」
「!」
「……本当は私がこんなこと言っちゃいけないって分かってるけど………!でも、仁花に負けたくないって思っちゃった…。
力くんが仁花のことを好きでも、私は力くんのことが好き。子供の時からずっと…ずっと大好き……!」
言っちゃダメだって分かってるけど、いつか言おうとしてた言葉なんだ。
あなたの胸に届かなくても私の気持ちは変わらないから―…
「……そっか。」
「…へ……?」
私の一世一代の告白は、その一言で片付けられた。
(そっか、だって……、私馬鹿みたい…)
所詮私はただの幼馴染なんだ。
「…はい、コレ。」
「?」
すると突然、力くんのポケットから小さな箱が取り出された。
「なに……コレ。」
「開けて?」
「…っ!!」
丁寧に小包を剥がして箱を開けると、その中には指輪が入っていた。
「なんで……っ」
「クリスマスプレゼント。
谷地さん、綾乃と同じクラスだし仲良いって聞いたから……"綾乃はこういうのが好きだから"って色々アドバイスしてくれたんだ。
ほら、俺こういうの疎いからさ…」
そう言って力くんは気恥ずかしそうに頬を掻いた。
―まだ、うまく状況が掴めない。
アドバイス?……ってことは、仁花とは付き合って……ない…?
そんな私の状態を理解してか、力くんは「貸して」と一言呟くと私の持っていた箱を取り、中から指輪を取り出した。
「…いつか言おうと思ってた。でも、言ったら今の関係が壊れてしまうんじゃないかって恐れてた。
だけどもう大丈夫だよな?だから――…言わせてほしい」
―…ずっと力くんが好きだった。
ずっと力くんと一緒に居たかった。
そう思ってたのは私だけじゃなかったんだね―…
左手の薬指。
そこにはめられたのは私の大切な人からの大切なプレゼント。
「―俺と結婚してください」
*END
→あとがき。