第1章
「いや〜、久しぶりに帰れますよー!」
松田さんの明るい声が背後から聞こえる。月くんとミサちゃんの疑いが完全に晴れた今、キラ事件は文字通り行き詰っている。
竜崎はというと、かなりやる気がなくなっているようでモニターを見るその目にも覇気が感じられない。…まあ元々やる気があるように作業をこなす人ではないけど。
「夢ちゃんはまだ帰らないの?」
松田さんは私のことをちゃん付けで呼んでくる。
「はい…、とりあえず今までの資料の整理だけでもと思って。キラの手掛かりに繋がるかもしれませんし」
「流石真面目だなあ、あんまり無理しないようにね!僕はもう帰るから」
「はい!お疲れ様です」