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お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様

第5章 番外編ホワイトデー小1編


 ホワイトデーだなあ、なんてあたしはぼんやり思っていた。
 敦君たちは大変だろう、と思っているとこんな風景が見えた。
「ね~ね~、お返しのお菓子、居る?」
 敦君が女の子たちに尋ねた。よだれをたらしながら。
 女の子たちはぶんぶん首を振りながら、自分たちのポケットからお菓子を取り出す。
「いいよ、紫原君。それよりあたしたち紫原君がおいしそうに食べてるのが見たいから」
「そ? ありがとう~」
 そう言って、新しいお菓子を手に入れる敦君。
 その横で。
「みんな本当にありがとう、これはささやかな気持ちさ」
 そう言って、高級お菓子を笑顔で配る征十郎君。
「うわあ……」
 思わず間抜けな声が出た。
 そして、駆け寄ってくる敦君とそれを追う征十郎君も見えた。
「おね~ちゃんっ」
 手にいっぱいのお菓子をもって、敦君は抱き付く。
 お菓子はバラバラに飛び散る。
「あーもう、駄目だよ敦君。これもらったやつでしょ」
「うんっ、でもにはね、もっとおいしいやつあげるの」
「え?」
「もう残り一本しかない限定のまいう棒チョコバナナ味! オレの大好きなやつ」
「オレからは、高級チョコレートを……」
「そんな、もらえないよ」
 どっちもいろんな意味で!
 そう言うと、敦君たちは目を見合わせてそのお菓子を取り出した。
「じゃあ、半分こ! あーんして!」
「してくださいっ」
 真剣な顔でせがむ二人に、あたしは仕方がないので口を開けた。
 まずは敦君のを、次に征十郎君のを。
 うん、どっちもおいしい。
「一緒に食べるとおいしいね~」
「そうだな、わけあうとますます美味だな」
「そうだね」
 3人でのんびと笑う。
 皆でおいしいものを分け合うって、幸せだね。
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