お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様
第3章 番外編お正月
「っあけましておめでとう!」
「あけましておめでとう敦君」
元気いっぱいの声で、敦君は洋菓子店にやってきてくれた。後ろには、咳き込む征十郎君。征十郎君は袴をばっちり決めている。
「敦、ここはあけましておめでとうございますだろ」
「どっちでもいいし」
「ふふ」
ほほえましいやり取りを見ながら、あたしはとある袋を取り出した。
「ハイ、お年玉」
「いいの!?」
「うんっ」
敦君は一目散に袋を破る。
「……板チョコだー!」
「結構おいしいのよ。これ」
「ありがとう!」
「ありがとうございます」
敦君は万歳をして、征十郎君は丁寧にお辞儀をした。どちらもすごくかわいい。
「これはオレからの」
征十郎君は映画のチケットをくれた。
一緒に見に行こうという意味らしい。
「敦の文もあるよ。ぬけがけはしないからね、そのかわりにしないでね」
「わあい」
そう言って征十郎君は敦君にも映画のチケットを渡した。中身は、ラブロマンス。
……征十郎君はとにかく、敦君には難しいんじゃ……。
「今年もよろしくお願いしま~す」
「今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ」
手をひらひらやって、出ていく二人を見届けた。
「さあて、あと3か月! 手つなぎペア頑張るぞ!」
そう言って、あたしは自分に気合を入れた。