第25章 反省会【佐々木異三郎】
佐々木は自分の身を整えた後、気を失った凛を横抱きにしてソファに寝かせた。
凛が着ていたガウンと置いていた毛布を掛け、床やソファに垂れた様々な液を拭き取り、とりあえず事後処理を済ます。
そのあと、凛の頭側に腰を下ろした。
「(信女さんと同じく、娘のように……いえ、あなたは一人の女として……)」
佐々木は凛の頭を優しく撫でた。
「(愛していても…)」
凛の目にはうっすらと涙の跡。
かなり無理をさせたようだ。
「こんな愛し方しか出来ない……でも、謝りませんよ。これが…私なのだから。」
ほぼ毎日命の削りあい。
立場を利用して法を犯してさえいる。
真実を知った時、そんな私の下にあなたはいてくれるだろうか。
そんな事を考えながら凛の額に軽いキスを落とした。
すると、凛はうっすらと目を開けた。
「私は局長を置いてどこにも行きませんから。何をされても、どんな扱い方をされても…あなたが何をしていても。」
そして綺麗な笑みを浮かべた。
「心からあなたを信じていますから。」
その素直な凛の言葉に、佐々木も目を閉じて、見せたことのない優しい笑みを浮かべるのだった。
━ fin ━