第11章 誕生日(冬ver.)【坂田銀時】
凛が目を覚ましたのは翌朝になってからだった。
銀時が敷いたのか凛は二人で布団に寝ていた。
二人揃って素っ裸で抱き合って寝ていた事にびっくりし、昨夜の行為を思い出してこっ恥ずかしくなった。
だが自分を抱く銀時の逞しい腕に安心し胸に擦り寄った。
その時
― ジリリリリ ―
家の固定電話が鳴る。
その音で銀時も目を覚ました。
「ん…朝か……」
「銀さん、おはようございます。電話、出てきますね。」
凛は寝間着の上とパンツだけを着用して電話に出た。
電話は新八からで、いるなら銀さんに代わってくれと言う。
「銀さん、新八君からですよ。代わってって言われました。」
「んあ……」
未だ寝ぼけ眼な銀時に電話を渡してから凛は着替えて布団を片付け始めた。
だがすぐに銀時がバタバタと部屋に戻ってくる。
「やべえ!今日仕事だった!!新八が滅茶苦茶怒ってやがる!」
「え!それマズイじゃないですか!」
「しゃーねーからこのまま現場に向かう。」
うがいだけ済ませて数秒で着替え終わった銀時はすぐさま玄関に向かった。
昨夜の名残など感じられず、昨日の事は夢なんじゃないかと思うほどあっさりとした態度に凛は拍子抜けした。
「(…せっかく結ばれたのにな。)」
一瞬寂しさが胸をよぎる。
「あ、そうだ。」
家を出る寸前靴を履く前に、見送りにと玄関に来た凛を抱き寄せる。
「行ってくる。仕事終わったらまた来るから。」
そう言って凛にキスを落とし、颯爽と出ていった。
「……………。」
寂しさなんて吹っ飛び、凛は一人、赤面しながら最高な笑顔を浮かべた。
「これだからもう……大好きっ!!」
━ fin ━